フリーランスのクレジットカード管理法
こんにちは、昭島市の税理士・大林央です。 本日は「フリーランスのクレジットカード管理法」について考えてみたいと思います。
経費はすべて振込か現金払いですという方は別として、事業経費の決済にクレジットカードを利用している方がほとんどでしょう。2枚、3枚と使い分けている方もいるはずです。
【第1法】
このクレジットカードの利用、取引としては経費の後払いです。例えば消耗品をカードで買いました。この場合の仕訳は
消耗品費 〇〇円/ 未払金 〇〇円(決済される口座が事業用の口座が前提)
となります。カード決済の都度、上記の仕訳を通して未払金を計上していきます。カードが複数ある場合には、未払金という勘定科目に「JCBガソリン」とか「VISA経費」などの「補助科目」を設定しておけばより明確です。カードをいくら利用しているのかをリアルタイムで把握できますので、資金繰りの計算も正確にできるでしょう。入力の済んだ領収証は利用明細が発行されるまでの間、クリアーファイル等で保存しておきましょう。
そして支払日の仕訳としては
未払金 〇〇円/ 普通預金 〇〇円
という仕訳で精算して終了です。
【第2法】
「第1法」はさすがに厳しいぞという場合、もう少し緩めの経理として、カードの支払明細書が発行される都度記帳する方法もアリです。実務ではこのパターンが一番多いかもしれません。領収証をとりあえず保存しておき、利用明細が発行されたら記載された明細と保存しておいた領収証を突合します。まとめて記帳しますから日々の記帳という手間はありません。仕訳は【第1法】と同じです。支払額の合計額と未払金の合計額が一致していることを確認しておきます。
(締め日)消耗品費 〇〇円/ 未払金 〇〇円(領収証を個別に仕訳します)
(支払日)未払金 〇〇円/ 普通預金 〇〇円
どちらの方法であっても、利用明細の後ろにA4の裏紙を用意し、領収証を貼付して合わせて保存しておけば証拠帳票としては合格でしょう。
★課税事業者は注意
消費税の課税事業者である方については、注意が必要です。原則課税では帳簿の記載と合わせて請求書等の保存が仕入れ税額控除の要件となっています。クレジットカードの利用明細はこの保存すべき請求書等として認めれていませんので必ず領収証を保存しておく必要があります。注意しましょう。
【第3法】
ここまでは、決済される口座が事業用の口座である前提で話を進めています。事業で使うカードなのだから事業用口座で決済するという発想が自然ですし、そのように処理しているフリーランスの方も多いでしょう。
ところがです。以外に管理が楽でおすすめなのは、クレジットカードの決済を家事用の口座に設定してしまう方法です。利用の都度、「事業主借」(じぎょうぬしかり)で処理してしまいます。例えば携帯の料金をクレジットカード払いしていて、決済口座が家事用口座の場合…
(月末)通信費 〇〇円/ 事業主借 〇〇円
支払日に未払金を消し込む仕訳も不要です。楽ですよね。
【まとめ】
以上、青色申告の65万円控除を受けるには複式簿記での記帳が必要です。【第1法】~【第3法】はいずれでも認められますのでご自身に合う方法で記帳を進めていただければと思います。